株式会社Classroom Adventure(本社:東京都中央区、代表取締役:今井善太郎)、日本貸金業協会、中央大学文学部 心理学専攻 有賀敦紀研究室は、警察庁の協力のもと、警察官を名乗る詐欺「ニセ警察詐欺」を疑似体験できる無料のブラウザゲーム「騙される30秒前」を、2026年10月18日(日)に公開しました。ゲームは日本貸金業協会の提供、有賀敦紀研究室(教授 有賀敦紀、大学院生 木次恵・髙橋靖知)の監修により、Classroom Adventureが制作しました。スマートフォン・タブレット・PCのブラウザで、会員登録やアプリのインストールなしに遊べます。
ゲームでは、実際の事件で使われた手口をもとに、詐欺の電話がかかってきてから送金に至るまでを再現しています。プレイヤーは年齢も立場も異なる3人の登場人物から1人を選び、その人のスマートフォンを着信の3分前から操作します。この3分間で、プレイヤーは主人公のスマホを「覗き見」し、趣味や交友関係、最近の出来事をたどって人物像をつかみます。3分が過ぎると電話が鳴り、警察官を名乗る男の話し方や誘導に、主人公が巻き込まれていく様子を体験します。
ゲームと振り返りを通じて、次の2点への理解を促します。
- 被害に遭うか、詐欺を見抜けるかは、個人の能力や年齢、知識だけでは決まらず、状況やタイミングによっては誰もが被害者になり得ること
- 自分で詐欺を見抜けなくても、家族や友人、警察に相談すれば被害を防げること
制作したClassroom Adventureは、闇バイトに巻き込まれる過程を追体験するゲーム「レイの失踪」を手がけ、東京都・警視庁などと連携して学校や地域で提供してきました。「騙される30秒前」は、同社による防犯ゲームの新作です。

特殊詐欺の被害額の約7割を占める「ニセ警察詐欺」
警察庁によると、2025年の特殊詐欺は認知件数27,832件、被害額1,423.1億円で、被害額は前年の約2倍になりました。
警察官などをかたり、捜査を名目に現金などをだまし取る「ニセ警察詐欺」について、警察庁は、2025年に特殊詐欺の件数・被害額が大きく増えた主な要因としています。2025年のニセ警察詐欺は認知件数11,014件、被害額1,005.0億円で、特殊詐欺全体の被害額の約7割(70.6%、警察庁資料の数値から算出)を占めました。1件あたりの被害額(既遂)は922.5万円で、それ以外の特殊詐欺(256.7万円)の3倍以上です。
被害は高齢者に限りません。固定電話にかかってくる高齢者の被害が目立っていた特殊詐欺は、携帯電話を通じて若い世代にも広がっています。2025年のニセ警察詐欺の認知件数を年代別に見ると、最も多いのは30代(2,239件)、次いで20代(1,718件)でした。警察庁は「高齢者だけでなく、20代、30代を含む幅広い年代の被害が増加」していると指摘しています。2026年も1〜8月の暫定値で6,346件(前年同期比4.1%減)・被害額728.6億円(同27.0%増)と、被害額は前年を上回るペースです(警察庁、2026年10月2日公表)。
これまでの啓発は、報道やWebページ、消費者教育を通じた注意喚起や事例紹介が中心でした。情報を受け取るだけでは特殊詐欺を自分のこととして捉えにくいため、「騙される30秒前」では、プレイヤーが自分で主人公のスマホを操作し、詐欺の電話を受ける側に立つ形にしました。
大学生148人に「ニセ警察」が電話をかけた実験の知見をもとに開発
ゲームの開発には、有賀敦紀研究室が日本貸金業協会と連携し、神奈川県警察本部の協力を得て行った模擬的な特殊詐欺の実験の知見を活用しています(2026年2月16日発表)。この実験では、神奈川県警察の警察官がニセ警察詐欺の電話役となり、事前に同意を得た中央大学の学生148人の携帯電話に電話をかけました。電話に出た25人のうち5人が、個人情報(メッセージアプリのID)を伝える直前まで進みました。怪しいと感じても通話を続けてしまう傾向も確認されています。
「騙される30秒前」は、この通話中の心理に着目して作られています。電話がつながった後、プレイヤーは主人公が誘導されていく様子を止められず、見ていることしかできません。
実際の事件をもとに、電話から送金までをリアルに再現
警察庁は、ニセ警察詐欺の主な手口として、警察官を名乗って「あなたは逮捕される」と不安をあおる、末尾が「0110」の国際電話番号からかけてくる、メッセージアプリやビデオ通話に誘導して偽の警察手帳や逮捕状を見せる、といった例を公表しています。2025年に特殊詐欺に使われた電話番号123,138件のうち、92,996件(約75.5%)は国際番号でした。
「騙される30秒前」では、こうした手口を3人の物語の中で再現しました。末尾「0110」の国際番号からの着信、メッセージアプリのID追加、主人公の実名が入った逮捕状、「誰にも話さないで」という口止め、ビデオ通話をつないだままの送金まで、実際の事件で使われた手口に沿って進みます。
画面には、一般的なスマートフォンと、高齢者向けの文字の大きなスマートフォンを再現しています。ロック画面、通知、アプリの切り替えまで実際に操作でき、端末の中にはメッセージアプリ、写真SNS、銀行アプリなどの架空のアプリと、主人公ごとに90〜226枚の写真が入っています。ビデオ通話では、「警察官」が偽の警察手帳と主人公の実名入りの書面をカメラに近づけてきます。



年齢も立場も異なる3人のシナリオ
プレイヤーは3人のうち1人を選んで遊びます。世代や職業、そのときの暮らしの状況が違う3人を通じて、日常の状況や心理が詐欺への対応にどう関わるかを比べられます。別々の結末を体験してみてください。

ゲーム後の振り返りで、被害に至る心理と対策・相談先を確認
ゲームの後は振り返りに進み、主人公が被害に至るまでの心理の流れ、具体的な被害防止策、相談先を確認します。

闇バイト対策ゲーム「レイの失踪」のチームが手がけた新作
Classroom Adventureは2024年12月、失踪した友人「レイ」のSNSやDM、求人情報をたどりながら、闇バイトに勧誘され、抜け出せなくなる過程を追体験するゲーム「レイの失踪」を公開しました。「レイの失踪」は東京都主催のTOKYO STARTUP GATEWAY 2024で最優秀賞(応募3,317件)を受賞し、東京都・警視庁、奈良県警察、兵庫県、鳥取県、東京都北区・荒川区・文京区など全国500以上の教育機関との連携で、中学校・高校の授業や地域の講座に使われています。
今後の展開
今後は、学校や企業での教育・研修、自治体などによる教育・啓発イベントで「騙される30秒前」の活用を進めます。中央大学 有賀敦紀研究室は、このゲームを使った教育・啓発の効果を測定し、定量的に分析する予定です。
「騙される30秒前」概要
ゲーム名:騙される30秒前(ニセ警察詐欺を体験するゲーム)
URL:https://www.fake-police.com/
公開日:2026年10月18日(日)
利用料金:無料(会員登録・アプリのインストール不要)
対応端末:スマートフォン(iPhone/Android)、タブレット、PCのブラウザ
体験時間:約7〜11分(主人公により異なる)、振り返り約3〜5分
音声:電話の音声が体験の中心のため、音を出せる環境が必要です
対象:中学生から高齢者まで
活用場面:家庭、学校の授業、企業研修、自治体や地域の防犯講座など
提供:日本貸金業協会
監修:中央大学文学部 心理学専攻 有賀敦紀研究室(教授 有賀敦紀、大学院生 木次恵・髙橋靖知)
制作:株式会社Classroom Adventure
協力:警察庁
関連情報
中央大学「警察官を装った模擬的特殊詐欺の実験を実施 ~携帯電話に出た学生の5人に1人が被害に遭う可能性を示唆~」(2026年2月16日)
https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2026/02/84457/
株式会社Classroom Adventureについて
株式会社Classroom Adventureについて
株式会社Classroom Adventureは、「Make maenomeri(前のめりをつくる)」を掲げ、社会課題をゲームと物語によって自分ごと化する教育体験を開発する、慶應義塾大学発のスタートアップです。主力の「レイのブログ」では、実際に検索と検証を行いながら偽情報や生成AIフェイクへの向き合い方を学び、「レイの失踪」では、SNS上で闇バイトに巻き込まれる過程と相談・離脱行動を追体験します。学校向け授業や教材提供に加え、自治体、警察、官公庁、企業、海外団体と連携し、企画・開発・運営・効果測定・PRまで一気通貫で支援しています。累計10万人以上が体験し、250以上の学校・団体で導入、世界14カ国で展開(2026年7月時点、当社集計)。主な受賞にTOKYO STARTUP GATEWAY 2024最優秀賞、NIKKEI THE PITCH SOCIAL 2025グランプリ、Internet Media Awards 2026 ソーシャルアクション部門、国連World Summit Awards 2025 Learning & Education部門など。
所在地:東京都中央区新川1-7-2
代表者:代表取締役 今井善太郎
URL:https://classroom-adventure.com/
【本件に関するお問い合わせ先】
<ゲーム・取材に関すること>
株式会社Classroom Adventure
Email:info@classroom-adventure.com
TEL:03-4500-2663
<研究・監修に関すること>
中央大学文学部 教授(人文社会学科) 有賀敦紀(アリガ アツノリ)
TEL:042-674-3846
Email:aariga413 [アット] g.chuo-u.ac.jp
<中央大学の広報に関すること>
中央大学 多摩研究支援課
TEL:042-674-2434・2109
Email:kkouhou-grp [アット] g.chuo-u.ac.jp
※[アット]を「@」に変換して送信してください。

